【採用・転職レポート】深刻化する人手不足にどう対応?(遊技通信12月号より)

 

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新卒はバブル期並の売り手市場  学生側に「安定志向」「大手志向」


パチンコ業界の採用支援事業最大手のパック・エックスによると、ここ最近、高校・大学を卒業する新卒者の就職状況は、バブル期並みの売り手市場になっている。一方の学生側もそうした売手市場の就活環境を十分に理解しているようで、学生のあいだには年々「安定志向」「大手志向」が浸透しているという。
 
就職活動のスタートも超早期化し、インターンシップ期からの活動があたりまえ。「こうした状況を背景に、今は内定を複数持つ学生がすごく多い。その中でパチンコ業界を選んでもらうことはとても難しく、内定までは出すことができてもなかなか入社につながらないという状況になっている」(パック・エックス  営業統括マネージャー 中村祐希氏)
 
そうした傾向は数値にも表れている。パック・エックスの調べでは、パチンコホール企業が内定をだした学生のうち、入社につながる内定承諾の割合は、平均で25.30%。全国大手チェーンや店舗を増やして伸び盛りの企業、新卒採用の歴史があり人員・コストもしっかりかけたうえで仕組み化できている洗練された企業でも40%程度と、内定者の半数が承諾につながっていないのだという。
 
学生が、ホール企業を魅力のある就職先として評価していない背景には、前述したように学生のあいだで安定志向、大手志向が強まっていること、パチンコで遊んだことがなく業務の内容や働く意義が見えにくいことが考えられるが、ここにきて現在の不安定な業況が影響しているのではないか、という声も強い。
 
パック・エックスでは、パチンコホール企業のみによる合同企業説明会「アミューズメントサミット」においてパチンコ・パチスロ経験を聞いたアンケートを行ったが、2017年卒、2018年卒のどちらにおいても、「パチンコで遊んだことがない」という学生が7割を超えたという。「パチンコホール企業のみの合同企業説明会に参加した学生に対するアンケート結果でこの数値。アンケートの対象者を一般にも広げた場合、その比率はさらに悪化する可能性があるだろう。現在、若年層の人口減少、高齢化といった社会問題はどの業種でも大きな壁となるが、参加人口の縮小にみられる若者のパチンコとの接点の減少という業界にとって根の深い問題は、確実に学生の就職活動にも影響を及ぼしている」(中村氏)


人材の業界外への流出が止まらず  キャリアを無駄にする可能性も


転職市場でも人手不足につながる深刻な問題が浮かんでいる。
 
現在の転職市場は、店舗を拡大して組織力強化を図ろうとするホールチェーン等を中心に、多くの企業に活用されている。優秀な人材を集めようとする企業は福利厚生を充実させ、長時間労働を排除するなど労務環境の向上にも取り組んでいるが、一人当たりの労働時間の短縮を行うにはスタッフの頭数も必要になることから、そうした労働力の不足分を転職市場から補おうという動きがでている。
 
ところがその一方で、パチンコホールで働いている人がその仕事に見切りをつけ、業界外への転職を希望するケースもジワジワ増えているという。
 
パック・エックスへ転職先の紹介を依頼してきた転職希望者に、パック・エックス以外でどのメディアを利用して転職先探しをしているか聞いたところ、マイナビやリクルートといった一般企業の転職を扱うメディアを利用している人が増えていることがわかった。  
 

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転職先に業界外を希望する人の割合はここ数年で非常に多くなっているのは以前、報道した通り。
 
「転職先を探す時点で業界外企業とホール企業を天秤にかけて考える人は多いが、業界外への転職を深く考えずに決断してしまうケースも少なくない。いろいろなリスクを精査して業界外への転職を考えるのではなく、パチンコ業界の先行きや勤める会社の将来が不安だから他の業界に就職する、といった動機だとなかなか転職してもうまくいかず、結局、数年経って『業界に戻りたいのだが』となってしまう。もちろん転職希望者にしっかりとした決意やビジョンがあるならいいのだが、そうでなければ転職者本人にとって大きなリスクとなることを、もっと知ってもらいたい」(パック・エックス 執行役員 窪田淳二氏)
 
パチンコ業界から他産業への転職の場合、パチンコホール勤務で得られたスキルを活かそうと思うと給与面で折り合いがつかず、給与面を合わせようとすると、スキルを全く活かせない職場を選ばざるを得ないというジレンマがつきまとう。
 
一方、時給の高さを売りにして採用を維持してきたアルバイトも、近年は飲食系を中心とした時給の伸びに押され、少しくらい時給が高いだけでは若者が集まってくれないという状況になっている。パチンコホールにおける煙草の煙や機械音といった労働環境の悪さの他、長時間シフトが基本となるパチンコホールのアルバイトは時間の融通がきかないことも不人気の材料となっているようで、時給が少し高いだけなら短時間勤務が選べる飲食業界のアルバイトに人材が流れているとみられる。パチンコをする若者が減ったことも、新卒者のケースと同様に少なくない影響を与えているだろう。
 
人材の流入が減少し、流出ばかりが増えているという状況に対して、パチンコホールの大型化は進み、1店舗を運営するのに必要なスタッフの数は多くなっている。
 
辞めていく人材を穴埋めする社員、アルバイトの募集にも人が集まらず、残った社員がその負担をかぶるかたちになり、さらに労働環境が悪くなるという負のスパイラルも起き始めている。
 
その一方で、大手ホールを中心に勤務地選択、再雇用などの人材不足に対応する新しい動きも出てきた。(この続きは、遊技通信12月号で)

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